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2026.05.26

【Atelier便り Vol.3】表板の部分修復と駒の調整

お知らせ

表板の部分修復

楽器の縁(エッジ)に刻まれた小さな傷や摩耗は、これまでに重ねられてきた努力や時間の証でもあります。
演奏や取扱の中で最も摩擦や衝撃を受けやすい箇所のひとつです。
同時に、それらは楽器をメンテナンスするサインでもあります。
今回整えたのは、縁回りの部分的な補修です。
色を足して隠すのではなく、周囲の質感や色調になじむよう丁寧に整えることで、楽器本来の表情を損なわず、木部を守る役割あります。

今回ご依頼頂いた楽器は、クリアニスで保護してあったので汚れが入らず、綺麗に整えることができました。
本格的なニス直しで預ける時間が無い時は、ひとまずクリアニスを塗っておくと綺麗を保てますよ。
目立たない小さな作業に見えても、こうした積み重ねが楽器の美しさと心地よい響きを保つ秘訣です。

駒の溝調整と保護

続いてのご依頼は、ヴァイオリンには欠かせない“駒”のメンテナンスです。
細く張力の強いE線は、長く使ううちに駒の頂部に少しずつ食い込んでいきます。
最初はごく小さな溝でも、そのまま使い続けると溝が深くなり、弦の位置が下がりすぎたり、振動の伝わり方に影響を与えることがあります。
今回のメンテナンスでは駒の状態が良かったので、削れすぎたE線部分の溝に木を足し、駒皮を張り直し、駒の状態を整えました。
単に溝を埋めるのではなく、弦の高さ、角度、接点の位置を見ながら調整することで、弦の振動が駒へ自然に伝わるように整えて行くのがポイントです。
必要以上に溝が深くなると、音の抜けや響きに影響するだけでなく、駒そのものの寿命にも関わります。
小さな調整ですが、弦が自然な位置で安定し、楽器が本来の響きを保つために大切なメンテナンスのひとつです。

何かございましたら、お気軽にお問合せご相談ください。

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